不動産投資は自己裁量権が少なく、購入に際して多くのプロが介入することからメリットがあるとお伝えしてきました。
また、ローンを組むことができることもメリットでした。
そんな不動産投資の仕組みをさらに詳しく解説していきます。
不動産投資の仕組み
「不動産投資しませんか?」そんな営業電話がかかってきたことがある人もいるのではないでしょうか。
何となく、胡散臭かったり仕事中の入電でまともに話を聞くことってあまりないかと思いますが、不動産投資の仕組みを簡単に表現すると
人のお金でローンを返して資産を作れる
ということです。
不動産投資の収入とは
不動産投資での収入は大きく2つあります。
1)家賃収入
2)物件売却時の譲渡収入
これら2つの違いとかかる税金について知ることで不動産投資の収入の仕組みを把握することができます。
1)家賃収入
文字通り入居者が支払う家賃を頂くことで発生する収入です。
家賃収入の収支は以下のように計算できます。
家賃ー(ローン返済額+管理費・修繕積立金)
例)
家賃 | 100,000 |
ローン返済額 | 89,000 |
管理費・修繕積立金 | 10,000 |
月収支 |
1,000 |
差額として毎月1,000円プラスになる
金利が安い銀行で借り入れを行えば、毎月のローン返済額は少なくなるのでより大きな月収支が得られることになる
家賃 | 100,000 |
ローン返済額 | 78,000 |
管理費・修繕積立金 | 10,000 |
月収支 | 12,000 |
このように、単純に家賃から必要経費を差し引いたものが家賃収入です。
2)物件売却時の譲渡収入
こちらは、物件を売却した際に得られる収入なので、1つの物件につき1度しか得られない収入です。購入時よりも価値が上がっていれば、売却差益が発生し、価値が下がっていたら売却差損が発生します。
価値が上がりやすい可能性のある物件を持つことが重要になりますが、物件の〇年後の価値を予想することは非常に難しいです。
不動産投資を行う際は、価値が上がる可能性よりも、価値が下がらない可能性を検討して購入することが重要です。
また、仮に価値が上がったとしても手放すタイミング次第では多くの税金を支払うことになります。
不動産投資に関わる税金は?
不動産をもつことで収入を得るわけですから、そこには当然税金がかかってきます。
では、どのような税金があるのでしょうか。
不動産の購入から維持にかけて必要となる税金を流れにそってお伝えします。
不動産取得時にかかる税金
不動産を取得した際にかかる税金として代表的なものは
・登録印紙税
・不動産取得税
これらは取得時に1度きり支払う税金で、購入した物件のエリアによって異なります。
おおよそいくらの取得税がかかるかは、購入前に不動産会社に問い合わせることで照会は可能です。
不動産取得税は、土地と建物の面積に応じてそれぞれ課税されるため、同じエリアであれば、広い物件になればなるほど金額は高くなります。
なお、相続によって不動産を取得した際には不動産取得税は課税されません。
不動産維持にかかる税金
不動産を維持している状態でかかる税金として代表的なものは
・固定資産税
・所得税
固定資産税は1月1日時点で不動産を所持しているものにかかる税金です。
多くの場合が不動産取得2年目から発生すると考えていただいても良いと思います。
また、不動産を売却したのちでも、1月1日時点で取得していたものに対して課税されるのでご注意ください。
所得税は、年間の不動産所得がプラスであれば、その他の収入と合算して(合算されないものもありますが、詳細は割愛)課税されます。
サラリーマンであれば、勤め先の給料+不動産所得から税金が計算されるようになります。
ここでいう不動産所得とは、年間の家賃収入からローンや管理費、また固定資産税(or不動産取得税)等を引いて残ったものを指します。 *ローンのうち経費として認められているのは利子部分のみ
不動産所得が大きければそれだけ課税されるわけですが、逆にマイナスになれば、節税対策になる可能性があるということです。
不動産売却時にかかる税金
売却時に1度きり発生する税金です。
取得時と違い売却の際に必ず発生するものはなく、売却した時点で差益が出た際に発生します。
譲渡所得=売却価格ー(取得費用+売却にかかる諸費用)ー50万
取得費用は減価償却された後の現在価値として計算され、その金額が不明な場合は売却価格の5%で概算することとなっています。
物件取得期間が5年以下、5年超で税金の計算方法が変わります。
5年以下(短期譲渡所得)の場合、上記の計算で得られた譲渡所得に税率をかけていきますが、5年超(長期譲渡所得)の場合は上記譲渡所得の2分の1の金額に税率を乗じていきます。
したがって、例えば物件購入間もなく価値が上がったから売却して利益を得よう!としても、そこには多くの税金がかかってくる可能性があります。
理想的な不動産投資のキャッシュフロー
ここまで、不動産投資に関する収入と支出について述べましたが、ここで理想的な不動産投資のキャッシュフローの例をご紹介します。
例)
家賃 | 100,000 |
ローン返済額 | 80,000 |
管理費・修繕積立金 | 7,000 |
月収支 | 13,000 |
このような物件を持った際、家賃とローン等の差益は年間で156,000円になります。
ここから固定資産税が例えば120,000円、火災保険料が20,000円引かれたとして
156,000ー(135,000+20,000)=1,000円
これが毎年手元にのこる金額になります。
このように、家賃収入のみでやりくりできてしまうことが理想的なキャッシュフローです。
「え、たったの1,000円しか年間で儲けられないじゃん。」と思った人必読
1年でたったの+1,000円が及ぼす影響は絶大です。
まずは、この1,000円を得るのにあなたが実際に働く時間はほぼありません。
また、あなたの給料もここに1円も使っていないという点に気づいてください。
確かに、年間1000円プラスになることだけを考えたら他の投資の方が簡単に作れるでしょう。しかし、その投資をするための必要資金ってあなたが稼いだ給料ですよね。
不動産のすごいところは、自分のお金を使わなくても投資ができるところです。
さいごに
自分のお金はほとんど使わずに資産形成ができる不動産の仕組みについてご理解いただけたでしょうか。
ローンを組んで他人のお金でローンを返済して、ローン完済時に数千万の資産が手元に残る。自分で稼いだ給料は他の投資の元本に充てることができるので資産を最大化することができる可能性が高いのは不動産です。
お気づきの方もいるかと思いますが、収入部分の家賃が入らないことが最大のリスクです。これについてはまた別の記事で詳しくご紹介しますが、物件に人が入り続ければ大きな損をすることなく投資ができる魅力を秘めています。
別記事での空室リスクについても許容したうえで無理のない投資を!