連日報道されている、かんぽ生命の不正問題。
かんぽ生命が用意している保険商品そのものが悪いのかどうか、気になるところです。
先日の記事に引き続き、かんぽ生命の保険内容について、その内容を見直してみたいと思います。
新ながいきくん
種類としては、終身保険です。
CMでも、終身保険は「新ながいきくん」♪ って耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
これには、いくつか種類があり、この記事では定額型とおたのしみ型の2つについて内容を見ていきます。
新ながいきくん(定額型)
概要
保険料払込期間満了前の死亡保険金額と保険料払込期間満了後の保険金額が同額
・基本契約 基準保険金額 100万円~1,000万円
・保険料払込済み年齢
55・60・65・70・75・80・85・90・95歳
・付加できる特約
無配当災害特約、無配当総合医療特約(Ⅰ型/Ⅱ型)、無配当傷害医療特約(Ⅰ型/Ⅱ型)
※特約の詳細については、こちらをご参照ください。
shisan-real-estate.hatenablog.com
特徴
倍額保障
契約日からその日を含めて1年6カ月経過後に、不慮の事故でのケガにより180日以内に死亡したとき、または所定の感染症により死亡したときに保険金額と同額の保障を受けることができる
まぁ、新ながいきくんに限らず、かんぽ生命の保険にはこの倍額保障がついています。
これ以外の特徴は特にないかな…というのが私見です。
保険料
男性が、以下の内容で契約した際の保険料
・基本契約 基準保険金額 1,000万円
・無配当災害特約(無解約返戻金型) 特約基準保険金額 1,000万円
・無配当総合医療特約(無解約返戻金型)Ⅰ型 特約基準保険金額 1,000万円
30歳 37,800円(9,400円) 35歳 44,500円(10,500円)
40歳 54,500円(11,900円) 45歳 70,100円(13,700円)
※特約保険料を含むうち、( )内は特約保険料
決して安いとは思えない保険料です。
新ながいきくん(おたのしみ型)
商品内容自体は、定額型とほとんど変わりません。
では、何が違うのか…それは、一定の年齢を越した後に一時金があるかどうかです。
一時金が支払われるのであれば、おたのしみ型の方が優秀?かとおもいきや、一時金は保険金額から引かれる仕組みでした。
つまり、1,000万円の保険金額から、保険料払い込み期間が終わった後から5年ごとに200万円支払われていきます。一方で、保険金額は800万円、600万円、400万円、200万円と少なくなっていきます。
生存給付金として5年ごとに200万円もらえる(正確には保険金額を切り崩す)、という点が「おたのしみ」なんだと思います。
※かんぽ生命HPのリンクです、クリックでかんぽ生命HPへ移動します。
保険料
男性が、以下の内容で契約した際の保険料
・基本契約 基準保険金額 1,000万円
・無配当災害特約(無解約返戻金型) 特約基準保険金額 1,000万円
・無配当総合医療特約(無解約返戻金型)Ⅰ型 特約基準保険金額 1,000万円
30歳 39,000円(9,400円) 35歳 46,000円(10,500円)
40歳 56,400円(11,900円) 45歳 72,700円(13,700円)
※特約保険料を含むうち、( )内は特約保険料
定額型よりも若干高めの保険料設定です。
結局のところ、この保険はどうなん
保険金額 ★★☆☆☆
払込の前後で保険金額が変わらない、貯蓄性は銀行に預けるよりは優れている程度
保険期間 ★★★★☆
終身保険なので、まぁ問題はない
保険料 ★☆☆☆☆
はっきり言って高い。
特約 ★★☆☆☆
the普通、入院が1日目から給付受けられるのはメリット
総合力 ★★☆☆☆
ながいき君と謳っている割には、長生きした時のメリットが少ないように感じます。
定期保険を特約で付けられるので、働き盛りで子供もまだ独立していないような、30~40歳代の方が定期保険と組み合わせて短い期間加入し、早々に払込済みにして温めておく方法が思い浮かびました。
年齢と用途に応じて使い分けができる人にはいいかもしれないですが、生命保険をこれ一つで!というほどの保障内容には思えません。
かんぽ生命の営業マンが高齢者にこの保険を勧めていたのであれば、悪としか思えない内容です。